書評 『私、パチンコ中毒から復帰しました 』本田白寿(中公新書ラクレ)

レンタルギャンブル依存症の杉山友作です。

これから定期的に、自分自身の備忘の為のアウトプットも兼ね、過去に読んだギャンブル依存症関連書籍の書評を纏めていきます。

 

 

 

第一弾は、私と同じく回復したギャンブル依存症である本田白寿による書籍です。

私、パチンコ中毒から復帰しました!~ギャンブル地獄から完璧に抜け出す方法

 
本田さんは過去に結婚されていてお子様もいらっしゃったようですが、
ご自身のギャンブル依存症が原因で離婚に陥った経験があるサラリーマンの方です。
私と同じく、病院やカウンセラー、自助団体には足を運ばず自力でギャンブルを辞められています。
(※私は辞めて一年弱経ってから自助団体へ通い始めました。)

 

 

この本は、本田白寿さんのご自身の思想と実感に基づいて執筆されています。
あえて医学的に通底した依存症の定義や病気の知識よりも、
ギャンブル依存症の実感に沿った書き方をされているので、
言葉も分かりやすく、本を読むのが苦手な方にも易しい内容となっています。

 

 

 

私が本田白寿さんの考え方に感じた、他の書籍とは大きく異なるユニークな点は以下の二点です。

■1、ギャンブルに対する問題意識の持ち方
一般的に依存症の定義とは「身体的、精神的、社会的に
自分の不利益、不都合となっているにもかかわらず、
それをやめられずに反復し続けている状態」
だと言われいて、そういう状態に警鐘を鳴らす本が多いのですが、
本田さんご自身はよりシンプルに、パチンコに週何回通うか、というところから、
そのギャンブルに問題があるかどうかを判断されています。
週二回以上でギャンブル中毒予備軍、週四回から完全なギャンブル中毒だという考え方をされています。

 

 

確かにおおすじでは当たっているかもしれません。
週一回というルールを徹底できているのであれば、
依存症の症状であるコントロールの喪失が起こっていないと言えるかも知れませんが、
仕事の都合でもともと週一回しか通えない方もいるので、
私自身は回数の少ないギャンブル依存症の方も存在すると考えています。
事実私はこの規準でいう「中毒予備軍(週2-3回通い)」の時期にも借金を増やしていましたので、
例外はあると思います。
私自身は本人に少しでも問題意識があるのに辞められない、という状態であれば、ギャンブル依存症と呼ぶに足ると考えています。

 

 

 

■2、ギャンブル依存症を病気ととらえることの危険性を指摘されている
本田さんは「病気」という言葉を使ったことによって、
周囲の方に「もう治らないのではないか」という必要以上の心配をかけてしまった経験を持っています。
結果的に奥様の中でその不安が肥大化したことによって離婚を招いてしまっている為、なるべく「病気」という言葉を使わない方が良いのではないかと、
世論に警鐘を鳴らしています。

 

 

また現状、病院でのギャンブル依存症の治療は、患者に病気であることを伝えた上で
自助団体を紹介する、という流れに沿って行われます。基本的に病院では、
この病気であることを伝えるということと、経過の観察が行われるのですが、
処方薬はありません。

 

 

その為「病気」という表現をしたところで病院で治せない、というのが、
本田さんが「病気」という言葉を使うメリットがないと考える理由だそうです。

これに関しては私も大筋共感できます。世間一般の認識で自分がギャンブル依存症なのかどうかを計るよりも、
自分やその家族が自分のギャンブルに問題意識を持っているかでどうすべきかを考える方がよほど重要です。
問題意識を持っているのに辞められない、という状態であれば、その解決に向けて動くべき段階だと思います。
但し、私はギャンブルを辞めるのに、自分自身の脳に何が起こっているのか完璧に理解することが非常に有効だと考えています。
病気という言葉を使わなくとも、そのロジックだけは理解しておく必要があるかと存じます。

 

 

主張の大筋
またこの書籍は、自分自身のギャンブルへ行きたくなる気持ちを「パチエゴ」と読んでいます。
そのパチエゴとの戦いに備え、どんな心構えを持っているべきか、また具体的にどんな施策を行うべきか、
その後どんな生き方をすべきか、という章立てで書かれています。

 

 

 

私自身がこの書籍を読んだのは、ギャンブルへ行かなくなってから3カ月程経ったあたりでした。
この本で言うパチエゴがかなり小さくなっている段階でしたが、
ほんのたまに、突如ギャンブルへ行きたくなる離脱症状に襲われていた時期です。
その際、「どんな施策を行うべきか」に関する章で書かれている、
パチンコ関連情報を寄せ付けず取り込まないようにする自己催眠方法は中々効果があったかと存じます。

そのほかにも、SNSを使った仲間とのコミュニケーション等、細かいTIPSの充実した書籍です。

 

 

 

まとめ
全体的に、ギャンブル依存症の当事者による実感ベースで、ギャンブルの辞め方が易しく説明された本です。
意図的に精神医学的な難しい話は避け、より当事者が自分の実感に近い言葉で理解できるよう書かれた書籍のようにお見受けしました。
正直に言えば、僕自身はタバコもギャンブルも、先に頭で理論を理解して辞めたタイプなので、
実感ベースのこの書籍は少し相性が悪かったのですが、相性の良い方には非常に理解しやすい良書だと思います。

 

 

特にギャンブルをしていると、長いこと読書に時間を割けなくなりますので、やがて複雑な言葉の羅列に拒否反応が出るようになります。
この書籍は、そうした本を読むのが億劫になってしまった人でも読みやすいように工夫が凝らされています。
あまり難しい話は聞きたくない!という方に、まず始めに手に取る本としてオススメしたい書籍です。

興味のある方は是非アマゾンさんでお買い求め下さい。

 

 

 

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この記事の投稿者 杉山友作

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